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アウシュヴィッツの図書係2017/07/02

 いや~、久しぶりに部厚い本を読みました。老眼が入った目には細かい文字がつらかったですが、紹介します。

 アウシュヴィッツの図書係というタイトル。あらすじは帯に書かれた文から抜粋しますと、
「アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによってひっそり作られた“学校”。ここには8冊だけの秘密の図書館がある。その図書係に指名されたのは14歳の少女ディタ。
…………略………
生きる意欲、読書する意識を失わない。その懸命な姿を通じて、本が与えてくれる“生きる力”をもう一度信じたくなる。感涙必至の大作!」

 実話に基づいた小説なのですが、この女性はまだ健在でしてその辺のことはエピローグと著者あとがきに詳しく載っています。
 私にはこの部分が小説と匹敵するくらい感動的で興味深かったです。

 私は数年前、ポーランドのこのアウシュヴィッツ強制収容所を見に行ったことがあり所どころの情景は目に浮かぶようでした。
 物語は後半に動きます。

 読んでみたいと思われた方はぜひ、草津図書館にもあります。私は購入して読んだのですが、言ってもらえばそれもお貸しします。
ばってんT村でした。

ネコと港街2017/07/16

 今、日本は空前の猫ブームだと聞きます。飼育頭数は5年ほど前まで圧倒的に犬の方が200万頭も差をつけて多かったのですが、その差は徐々に縮まり来年には逆転するのではないかと言われています。

 飼い猫が急速に増えてきた要因は住宅事情(犬は集合住宅では飼えない、散歩に連れて行く必要がある、成長し大型化する)ことと、あと日本人の高齢化もあるようです。

 さて、ペットは別として猫はどこに多く生息しているかと言いますと、これはもう港街や漁師街(村)なのですね。
 食料などの備蓄を食べるネズミ対策に昔から人間が放し飼いにしたり、猫側も漁港だと餌にありつきやすいということもあったためです。

 また積み荷を食べたり船体をかじるネズミを駆除するのに猫を船に乗せる習慣もありました。
 鎖国時代に長崎と交易していたオランダは植民地にしていたインドネシアの猫を船に乗せていました。そのためインドネシアの猫が長崎から入って来たと言われています。

 インドネシアの猫は尾の先端が折れ曲がったり変形しているという特徴を持っています。その尾曲がりニャンコの割合が長崎は80%近くもあり他の地方にくらべ圧倒的に多いということが研究や調査でわかったらしいのです。

 私の故郷は長崎なのですが、漠然と街中を歩いていても猫をそこかしこで見かけるわけではないので、たぶんどこか生息ポイントがあるのでしょうね。
ネコ派でない私にはわからないのかもしれません。

 さて海外に目を向けて、行ってみたい世界の猫スポットランキングというのがありまして(旅行会社がアンケート)
1位:マルタ共和国
2位:モロッコのシャウエン
3位:クロアチアのドブロブニク
4位:ギリシャのミコノス島
5位:トルコのエフェソス遺跡
となっています。

 1位のマルタ共和国は地中海に浮かぶ風光明媚な小島ですが、人口より猫が多いという猫島らしい(知らなかった…)

 マルタ共和国には仕事で2回行ったことがありますが、たしかに釣り人の傍らに魚目当てであろう猫がごく自然とたたずんでいる光景は目にしました。
 NPOが猫の保護施設を運営したりと国民だけでなく国ぐるみで保護などに当たっているとのことです。

 3,4位のドブロブニク、ミコノス島も港街で条件どおり。2、5位のモロッコのシャウエンとトルコのエフェソス遺跡は内陸なのですが、どちらもイスラム国家でしてイスラム教徒は猫好きが多く、猫にとっては住みやすいのでしょう。
 
 7/22土曜日のTV番組「世界ふしぎ発見!」は、
世界は猫によって作られた ~人とネコの絆物語~
というタイトルらしいです。興味のある方はご覧あれ。
ばってんT村でした。

てんしき2017/07/30

 久しぶりに落語を聞きに行きました。
 題目のひとつに「てんしき」というのがありまして、知ったかぶりをする人々のこっけい話なのですが紹介したいと思います。
 
 和尚がお腹の調子が悪くなり医者を呼びます。医者は「てんしきはあるか?」と聞きます。
 知らなければ聞けばよいのに、知ったかぶりの和尚は知らないとは言えず「ありません」と答える。

 医者が帰った後、どうしても意味を知りたくなり、小僧を読んで近所にてんしきを借りてくるよう命じます。和尚は「意味は教えてもよいがおまえのためにならない。自分で調べるように」と言って使いにやらせます。

 小僧はわからぬまま、金物屋などいろんな店を回ります。同じく知ったかぶりをする近所の店の人たちも意味がわからない、とも言えず「売り切れた」とか「食べてしまってもうない」などと言ってごまかします。

 てんしきが手に入らない小僧は、医者に聞けばよいのだ、と気づき医者宅を訪ねます。てんしきの意味を教えてもらった小僧はお寺に帰り和尚にいたずらを仕掛けます。

 「和尚様、てんしきとはさかずきのことでございます」と伝えると和尚は「そうだ、よくわかったな。呑む酒の器と書いて、てんしきと言うのだ」とでたらめを答えます。

 翌日、再び往診に来た医者に「その後てんしきはあったか?」と聞かれた和尚は「はい、ございました。ぜひお寺自慢のてんしきを見てください」と小僧にりっぱな桐箱につめたさかずきを持ってこさせます。
 医者はおかしなことを、と思いながら恐る恐る桐箱のふたを開けて…
というような話です。

 てんしきの意味ですか? 俗にいう「おなら」のことです。医者が患者の腸の具合を聞くのに有無を尋ねたわけです。

 「転失気」と書き、中国の漢の時代に編纂された医学事典の中に出てくる医学用語とのことなので語源は中国語なのでしょう。

 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、ということわざを連想させる落語です。

 古典落語を聞いていると、古語や古い表現などが出てきて興味深いものがあります。当然、落語は楽しむために聞くわけですが、ついつい言葉の方に関心が行ってしまいますね。
ばってんT村でした。
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