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タイムトラベル2018/06/17

私はおもしろそうな本を新聞に載っている新刊の紹介・書評の紙面か、図書館が毎月発行している「新着図書の紹介」で見つけることが多いです。

 

 最近、おもしろかった新刊は「不便ですてきな江戸の町」という本。著者は江戸風俗研究家、時代小説家です。

 



 古文書解読講座の講師とその受講者の二人が約200年前の江戸時代へタイムトラベルして1週間の江戸暮らしを体験するというストーリーです。

 実際の江戸の町と庶民の暮らしはこうであったであろう、という著者の研究成果や推定が描かれています。

単なる解説本にしてしまうのではなく、小説形式でタイムトラベルで江戸へ行った二人の目を通して「当時はこうだったのか」と思わせる内容になっているのです。

 

たとえば、江戸前の鮨。冷蔵庫などがなかった時代ゆえたとえ江戸湾で獲れた魚とはいえネタは生ではなく、火を通すか酢でしめていた。シャリは現代のにぎり鮨の23倍ほどあり、おにぎりの上に具がのっている感じで2個も食べたら腹いっぱいになった、というシーンがありました。

小ぶりで洗練された現代の鮨とは違い、オリジナルはそうだったのか、と思わせます。

 

話し言葉や漢字も違ってきます。

現在「おまえ」は目下に対して使っているが、元々敬称で子供が親に対し、妻が夫に対して使ったりする。目下には「てめえ」と言うのだ、というような予習を2人はタイムトラベルの前に行うのです。

 

漢字は当時は旧字なので、宿帳へ自分の名前を書く際には、会は會、沢は澤、国は國と書けるよう練習をしておいてよかった、という場面もありました。

 

その他にも江戸の風呂屋、金銭の単位と換算、時刻の表現と現在の24時制との対比など豆知識になりそうな解説もストーリーとは別ページに載っていて興味深い内容となっています。

 

さてタイムトラベルを題材にした小説、映画やドラマはいくつもありますが、私の中ではやはり「バックトゥザフューチャー」が一番の傑作だと思います。

もうずいぶん前の1985年のハリウッド映画なのですが、今観ても相変わらずおもしろい。



1985年のカリフォルニアが舞台。高校生のマーティは友人の科学者ドクが発明したタイムマシンで、不測の事態により1955年にタイムスリップしてしまう。

故障したタイムマシンでどうやって現代に戻るかの奮闘と、さらには高校生時代の自分の両親と知り合ったため、二人の恋のキューピッド役をやるはめになる、というコメディタッチの映画です。

 

ほんの30年のギャップなのですが、その間に新たな用語なども生まれ小ネタになっていてその部分もおもしろいのです。

たとえば、マーティーがファストフード店で日頃愛飲している「ペプシフリー」を注文するシーン。

1955年当時、すでにペプシはあったのですが、カロリーをカットした「フリー」はまだなかった。店の主人には「フリー(無料)のものうちはない」と言われてしまう。

 

マーティーが難題を抱えたときに口癖で使う「ヘビー」という単語。「それはヘビーだ」と言えば1955年では「何がそんなに重いんだ?」と相手から返ってくる。

Heavyは重い、という意味以外に程度がはなはだしい、とか厳しいという意味があるのですが、50年代では重い、という意味以外ではあまり使われていなかったのでしょうか?

 

日本語でもほんの10年ほどで死語になったり新たな意味が付加されたりと言葉は変化します。ヤバイ、などは本来の意味を外れて使われていますからね。

 

さて、タイムトラベルできるなら、皆さんはどの国のどの時代へ行きたいですか?

ばってんT村でした。

 

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