ミシュランとどんぶり ― 2018/12/09
レストランの評価を星の数で表すことで知られるミシュランガイド。ミシュランとはフランスのタイヤメーカーで、その昔自動車ドライバーのための旅行ガイドブックを発行したのが始まりです。
このキャラクターでおなじみです。名前をご存知でしょうか?
ビバンダム(Bibendum)と言います。「ゴーストバスターズ」に出てきたマシュマロマンではありませんよ。
旅行ガイドブックに載せるホテルやレストランの格付けをやり始め、それが進化したのが現在のミシュランガイドなのです。
今は海外版まで出ていますが、実は星付きレストランの数は本国フランスより日本の方が多く世界一の数だそうです。
近年、ラーメンやたこ焼きなどの店もミシュランガイドに載り始めたのですが、つい最近のニュースで2018年版に掲載されていた大阪のたこ焼き店13店が2019年版ではわずか1店に激減した、という記事を新聞で読みました。
評価の基準は複数あり、値段の張る星付き高級レストランだけではなく、コストパフォーマンスがよくておいしい店という評価基準もあり、ラーメンやたこ焼き店はその分野に入るのです。
この記事を読んで邪推したのは、粉モン食文化を知らなかった外国人がその形状も含め物珍しさから一気に取り上げたけど最近になって熱が冷めてきたのではないか、ということ。
ほとんどのたこ焼き店の味が1年で同時に落ちるわけがなく、調査もいい加減ではないの?という印象を受けました。
さて、実はタイにも似たような評価システムがあります。
おいしい料理を出す店と認められたら、写真のような緑色のどんぶりマークを掲示することで表します。
とある料理評論家が評判を聞いて、正体は明かさずそこへ出向き自ら味を確かめ認定の可否を決めるらしいです。
どんぶりマークは店全体ではなく、その店の特定の料理だけを認定したものです。店名と認定された料理名がどんぶりマークの右横に書かれているのですが、タイ語なので読めないとわかりません。
でも、おいしい料理を出す店であれば他の料理でもはずれはないでしょう。
ミシュランと違う点は、一度認定されたらその後のチェックはありません。もし味が落ちてもそのままどんぶりマークは付いたまま。ここがタイのおおらかなところでしょうか。
実はレストランなどの実店舗だけではなく、屋台や食品、食材単品にもどんぶりマークはついています。
こんな屋台や
食堂にも
これはラスク状の菓子パンです。左下の方に小さくどんぶりマークが付いていますよね。
味は…まァ、ふつう。
タイは外食が盛んな国で、お昼だけでなく朝晩の食事も外食、あるいは持ち帰って自宅で食す、という人は多いのです。だから、食堂や屋台はいたるところにあり、安くておいしいお店も比例して多いのです。
従って、どんぶりマークの対象はミシュランのような高級レストランではなく、庶民目線で安くておいしい料理を選定しているのだと思います。
バンコクからバスで3時間ほどのところにホアヒンというビーチリゾート地があります。タイ王室の保養地にもなっているのですが、タイ人が週末に遊びに行くような庶民的なところです。
このホアヒンに行った時、お昼を食べるならもちろんシーフードということで店を探していたところ、見つけました、どんぶりマーク。
海辺でロケーションもよし。イカとエビ、それとカオパット(チャーハン)を注文、安くておいしく大満足でした。
タイ料理は、タイ独自の料理、中華系(麺類等)、インド系(カレー等)、周辺国(ラオス、ミャンマー、マレーシア等)からの派生料理など多種多様です。決して辛い料理ばかりではなく日本人の味覚にもよく合います。
タイへ行かれる機会があれば、食事時にはこのどんぶりマークを探されてはいかがでしょうか?
ばってんT村でした。
タイ語を憶えよう ― 2018/12/25
前回、タイのどんぶりマークを紹介しましたが、ついでに簡単なタイ語を憶えませんか?ということで書いてみました。
タイは日本人にも世界的にも人気上位の観光国です。タイに限らずですが、少し言葉を憶えておくだけで現地の人とのコミュニケーションが楽しめます。
声調や有気音・無気音の区別など発音に関しては難しいタイ語ですが、それらを無視してここではカタカナ表記で紹介します。まずは気にせず話しましょう。
事例として一番頻度の高い場面シラバスでやってみます。あなたは観光や出張でタイを訪れました。毎日のことと言えば食事。タイ料理屋や屋台で、という前提です。
どこででもですが、まず、一言あいさつしましょう。
●あいさつ(おはよう、こんにちは、こんばんは)
男性:サワディクラップ、女性:サワディカー
昼夜問わずいつでも誰にでも使えます。
語尾が男性と女性で違います。これは挨拶だけでなく、語尾にクラップ、カーを付けるのがていねいな言い方です。クラップは実際にはほとんど「カッ」と聞こえます。
サワディは「さよなら」にも使えるのでオールマイティです。
料理を運んでもらったり、支払いの時
●ありがとう
男性:コップンクラップ、女性:コップンカー
語尾に男女差があるのは上に書いた通りです。
ほんとうにありがとう、と感謝の気持ちをもっと込めたい時はコップン マーク クラップ/カーと言います。
「マーク」は多い、とても、よく、と言う意味です。とても暑い、たいへんおいしい、のように程度を表すときに付加しますので、これも憶えておくと応用して使えます。
食べたい料理があるかどうか聞きたいときがあります。
●~はありますか?
ミー(何々)マイ?
ミーが「ある」という意味のタイ語です。
語尾に「マイ」を付ければ疑問文になります。語尾をあげてマイ⤴と発音します。
ミー トムヤムクン マイ? (トムヤムクンはありますか?)
と言って店員が、
「ミー クラップ/カー」と言ってくれれば「あります」
「マイ ミー クラップ/カー」と言われたら「ありません」
動詞、形容詞を否定する場合は先頭にマイを付けます。
疑問詞のマイと同じ音ですが、声調が違い、マイ⤵と下がります。
注文の時
●~をください(~してください)
「ください」は「コー」です。後ろに欲しいものをくっつけます。
「コー トムヤムクン クラップ/カー」はトムヤムクンを下さい、になります。
料理がおいしかった時はおいしかった、と伝えたいですよね。
●「おいしい」は「アロイ」です。
たいへんおいしかった~、と言いたいときは、先ほど出たマークをつけて「アロイ マーク」と笑顔で言えば相手も喜びます。
タイ語は文法上、未来・現在・過去の変化形がないので、食べている最中に「アロイ」と言えば現在形で「おいしいです」、食べ終わった後に言ったら過去形、「おいしかった」になります。
●数字
注文する時やお勘定の時、数字は必須。
0:スーン、1:ヌン(グ)、2:ソーン(グ)、3:サーム、4:スィー、5:ハー
6:ホック、7:チェット、8:ペー(ト)、9:カウ、10:スィップ
100:ローイ
1000:パーン
10000:ムン
( )内の音はほとんど聞こえないです。
観光地でタイ人が写真を撮っている時に遭遇すると、ヌン・ソーン・サームと言っているのが聞こえる時があります。日本だと「はい、チーズ」ですね。
日本語と同じ要領で言うことができます。
日本語で12は、「じゅう+に」で「じゅうに」、365は「さん+ひゃく+ろく+じゅう+ご」で「さんびゃくろくじゅうご」と言いますが、これと同じです。
12 はスィップ・ソーン、13はスィップ・サーム、37はサーム・スィップ・チェット、
365はサーム・ローイ・ホック・スィップ・ハー
というぐあいです。
ただし例外が2つあって
2桁以上の末尾の1はエッ(ト)と言います。
31はサーム・スィップ・エッ(ト)、201はソーン・ローイ・エッ(ト)
もう一つ例外は、20~29の2はソーンではなくイーと言います。
21はイー・スィップ・エット、22はイー・スィップ・ソーン、23はイー・スィップ・サーム…です。
222はソーン・ローイ・イー・スィップ・ソーンとなります。
タイ語にも数詞がありますが、とりあえず数字だけ言えば当然通じます。
料理のタイ語名や食材が知りたい時がありますよね。
●これは何ですか?
「何」はタイ語で「アライ」です。新井(荒井)さんと引っ掛ければ即憶えられます。頻出する単語です。
「これ」は「ニー」です。「ニー アライ クラップ/カー」で「これは何ですか?」になります。
会話の最中に相手が「アライ ナ?」と言ってきたら「今、何て言ったの?」の意味です。
日本でも会話で相手の言うことが理解できなかったり聴きとれなかった時に「何?」って言いますがそれに相当します。
ついでなので「これ、それ、あれ」も憶えてしまいましょう。
タイ語で「ニー、ナン、ノーン」です。日本語同様短いので簡単に覚えられますよね。
●お勘定
「いくらですか?」は「タウライ」
買い物全般に使えます。「ニー タウライ クラップ/カー」で「これはいくらですか?」
レストランや料理屋で「お勘定」と言いたい時は、
明細や伝票が出るようなレストランだと「チェックビン」、英語の「check bill」から来ています。
ローカルな料理屋や屋台だと「ケップタン」
応用編ですが、注文の時、これが言えればな~、と思う時があります。
●パクチーは入れないで
おいしいタイ料理ですが、苦手な食材は入れてほしくない時があります。注文の時にこれが言えれば、と私も思ったものです。
入れるは「サイ」です。
入れてほしくない時はその前に否定のマイを付けます。
「マイ サイ パクチー」(パクチー入れないで)で通じます。
●辛くしないで
辛い、は「ペッ(ト)」
~してください、の「コー」と否定の「マイ」をくっつけて
「コー マイ ペッ(ト)」と言えば「辛くしないでください」になります。
以上が注文から支払いまで一連の中で使うだろうと思うタイ語でした。
ここまで紹介したのは30語ぐらいですが、1単語が短いので案外憶えやすいと思います。
さて、ここまではこちらが発話する場面でしたが、相手が言ってきそうな単語も少し憶えておきましょう。
●日本人ですか?
日本:イープン 人:コン
「コンイープン マイ?」 日本人ですか? あるいは
「コンイープン チャイ マイ?」 日本人でしょう?
と聞かれると思います。
日本語と同様、省略可能な場面なら「私」「あなた」は付けなくてもかまいません。これ楽です。
「チャイ」はよく使われる単語で、「はい」の意味です。
チャイ マイ?と疑問文になると、「そうですよね?」「でしょ?」の意味になります。
「いいえ」と言いたい時は「マイ チャイ」
●タイ料理は好きですか?
好き:チョープ
料理:アーハーン タイ料理は「アーハーン タイ」
「チョープ アーハーンタイ マイ?」で「タイ料理は好きですか?」
「チョープ アーハーンイープン マイ?」だと日本料理は好きですか? ですね。
●数を聞かれる場合
「キー」
何日、何回、いくつ、何人とか数を聞かれる時があります。
キーは何~、いくつ、という意味。
「キー」が聞こえてきたら数を聞かれていると思ってください。
例えば、レストランに入ってすぐ「キーほにゃらら」って聞こえたら「何人様ですか?」と多分聞かれています。
●大丈夫、問題ない
「マイペンライ」、これよく聞きます。
英語の「No Problem」、韓国語の「ケンチャナヨ」に相当します。
●快適、気持ちいい、心地よい
「サバーイ」、これもよく聞きます。
体調が悪く気分がよくない時は「マイ サバーイ」
●良い
「ディー」、よく聞きます、使います。
良くない、悪い、は「マイ ディー」
いろいろ書いていたら長くなってしまいました。
旅行の楽しみのひとつでもある食。屋台や料理店でぜひ試してみてください。
滋賀、京都にもタイ料理屋がありますが、料理人はほぼタイ人です。そこで試すのもいいかもしれません。
今年もお付き合い、ありがとうございました。
ばってんT村でした。
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