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夜目遠目笠の内2019/06/08

夜目遠目笠の内(よめ、とおめ、かさのうち)、この意味おわかりでしょうか?

今やほとんど聞きません。

 

夜見る時、遠くから見る時、あるいは笠からちらりと見える顔を見る時、女性が実際より美人に見えるという意味です。女性には失礼なことわざかもしれません。

 傘ではなく笠なので発祥は古いのでしょう。

 

数年ほど前の正月休みにタイのスコータイというところに行きました。

 タイの観光地としてアユタヤは有名ですが、そのアユタヤ王朝の前、13世紀ごろに存在したのがスコータイ王朝です。

 それまでクメール帝国の支配下にあった国土を取り戻したタイ族による最初の王朝と言われています。

 あのクネクネしたタイ文字ができたのもスコータイ王朝の頃です。

 

スコータイには遺跡群がたくさん残っていて見どころも多く、ユネスコの世界遺産にも指定されています。

 

 こんな遺跡がたくさん




スコータイ市の中心部に泊まっていたのですが、ちょうど滞在中に大晦日のカウントダウンイベントを見る機会がありました。

 イベントの一つにニューハーフコンテストがあるようで、夕方から大勢の出場者が集まってきました。

 

 タイではこのニューハーフ(あるいはレディーボーイ?)に対して社会の寛容度は高く、バンコクなどでは普通に見かけます。

 レストランのウエイトレス、ホテルのフロント、コンビニをはじめ店舗などの店員、空港職員など当たり前のように存在します。

 ただ「夜目遠目笠の内」でなくとも一見ではほとんど男性だとはわからないと思います。

 

 夕方、屋台で食事が終わった後ぶらついていたとき、偶然にも食事中の出場者を見かけました(衣装を着ていたので判別できた)



 コンテスト前の腹ごしらえをしていたようです。

 せっかくだから話しかけていっしょに写真を撮ってもらいました。夜目ではいっそう男性だとはわかりません、美人です。マァ、そのうちの一人には「マツ〇・デラ〇クスか?」というような人もいて。

 

 

 屋外ステージでのコンテストでは各人が順番にスピーチをして、その後歌などの特技を披露していました。理解できたタイ語は冒頭の自己紹介の名前と出身地、好きなことや物を言ったところまで、後は何を言っているか理解不能。


 最前列では子供も興味津々


ゃんと審査員のテーブルもあり


最後はワイで一礼

 

タイのおおらかさとふところの深さを見た一夜でした。

 

さらに個人的に思うのですが、もうひとつ美人に見える条件で後ろを振向く姿もそうではないでしょうか?

 「見返り美人図」という日本絵もあるし、絵画でもフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」も後ろを振り向いた姿で魅力的です。

 

それら振向く姿でさらに思い出しました。

シニア世代の人ならご存知でしょう、昔シャンプーかリンスのテレビコマーシャルで日本中の街中でロケをし、後ろ姿(髪)の美しい女性を見つけ声をかける、というのがありました。

 

泣いているのか 笑っているのか

後ろ姿のすてきなあなた

ついてゆきたい あなたのあとを

ふり向かないで~○○の人  


という歌とともに。○○に銀座や大阪、名古屋などロケ地の地名が入っていました。

 

 さて、アルバート・メラビアンというアメリカの心理学者の研究によると、話し手が聞き手に与える影響のうち、

「話の内容」が7%

「話し方」が38%

「見た目」が55%

だと言うのです。(メラビアンの法則)

 

 つまり人は、どんな話の内容や話しぶりより「見た目」で相手を判断することが多い、ということなのです。

 

長く接するのであればまた話は別かもしれませんが、男女問わず見た目の第一印象はやはり大事なのですね。

 ばってんT村でした。


パスタぎらい2019/06/23

ご存知(だと思います)、ヒットしたマンガ「テルマエ・ロマエ」の著者です。映画にもなりましたね。 

 古代ローマ時代の浴場設計技師が現代の日本へタイムスリップする人気コミックでした。

 その著者のエッセイ本です。


ヤマザキマリさんはイタリアに住んで35年、夫はイタリア人。

この本、食に関するエッセイなのですが、さぞかしイタ飯旨いぞ、と言う内容かと思いきや読んでみたら必ずしもそうではありません。

 


 タイトルどおりパスタは嫌い、読んでいくとすっぱい系の野菜(トマトなど)と果物も苦手、コーヒーも好きではない、さらにイタリアのパンは他国と比べるとまずいとも言っています。

ではイタリアでは何を食べているの?と思いますよね。ついつい読み進めてしまいます。

 

 イタリア料理だけでなく日本料理や著者がかつて住んだ国や旅先であるポルトガル、シカゴ、シリア、モンゴル、チベットなどの食についても多岐にわたって書かれています。

 


古代ローマに造詣が深い著者のこと、ジェラートの項などへぇ~と感心します。皇帝のためにアルプスの山の雪をローマまで運んでいたというのです。日本でも天然の氷を氷室に保存して朝廷や将軍家など特権階級の人間が夏に食べていたようなものですね。

 

我が団体の名前にもしているオリーブについても書かれています。

オリーブの銘柄に個人や家庭でこだわりがあり、慣れ親しんだものでなければダメ。サッカーチームも海外遠征の時はオリーブオイルを持参するとのこと。

 

日本からイタリアへ帰る時に乗ったルフトハンザ(ドイツの航空会社)の飛行機で機内食のメニューにないソーセージをどうしても食べたくなったエピソードが書かれた章もクスリと笑えるところです。

 

この本を読みながら思い出した私個人の経験談をいくつか紹介します。

韓国人とキムチについて。

その昔、会社に韓国の顧客が来日した時のこと。打ち合わせを挟んで注文した弁当の昼食を一緒に会議室で食べ始めたとき、彼らはバッグの中からタッパを取り出してきました。

中身はキムチ。「これがないと韓国人は生きていけないんですよ」とニコニコ。

 

インド人とカレーについて。

インド現地社員2人がこちらの工場に1週間ほど研修に来た時の事。日本食は口に合わないらしく、昼食はほとんど残していました。

そこで私が出勤途中、パン屋に寄って昼食用に適当に数種類を選んで買っていくと喜んで食べていました。

特にカレーパンは「こんなパンははじめて食べた。おいしい」と大人気。「明日も買ってきて」とリクエストをされるほど。

もちろん、カレーパンは日本独特のもの、インドにはありません。

 

ヤマザキマリさんは「パン美食国ナンバーワンは日本である」と書いていますが、私も同感。あれだけ種類が豊富で、それも皆高いレベルでおいしいのですから。

 

日本人だと、恋しくなるのは味噌、醤油などのうまみ系の味が相当します。私も海外へ行き3日もすると日本の味に飢餓状態になったものです。

外国も大都市なら今でこそ日本食レストランやラーメン屋も数多くありますが、地方だとそうそうありません。

 

そのようなところで頼りになるのが中華料理屋です。相当ないなかにもなぜか中華料理屋は探せばあるのです。それも中国人がやっていますので、それほど中国人は世界の隅ずみまで出ていっているということですね。

 

チャーハンや酢豚、麻婆豆腐、麺類など注文して箸で食べると純日本食ではないけどホッとして欲求が満たされるのです。

この本の中でヤマザキマリさんは餃子への渇望を書いています。ある特定のものを無性に食べたくなる時が皆さんもあると思いますが、それです。

 

どの国の国民も海外へ行くと母国の味に飢えるのは一緒なのですね。

食に興味のある方は一読を。ばってんT村でした。

 

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