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出島とヒロイン ― 2021/10/10
江戸時代、鎖国政策の下、唯一海外に門戸を開いていた長崎。
ここに江戸幕府が造成した人工の島、1636年に完成した出島で貿易や人々の交流が行われていました。
出島は明治になり埋め立てられたのですが、その後長崎市が復元します。
ここを訪れると、ちょっとした江戸時代へのタイムスリップ気分が味わえます。
なかなかよく復元されていると思います。
グリーンに塗られた窓枠の建物にオランダ人が居住した
カピタン(オランダ貿易船の船長)の寝室
食事風景の再現ミニチュア
クリスマス時の祝宴テーブルの再現
蘭学テキストのレプリカ、蘭日辞典かな
さて話変わって、この長崎を舞台にしたヒロインの物語が2つあります。
一つは実話、一つはフィクションです。
実話の方はお滝とその娘イネ。
出島に赴任していたドイツ人医師シーボルト(オランダ人と偽って来日)は遊女の楠本滝との間にイネという娘を授かります。
医療の傍ら日本の動植物や地形など日本研究もしていたシーボルトは、国外持ち出し禁止の日本地図や資料などを持ち出したことがばれて3年後に国外追放になってしまいます。
その後、成長したイネは医者を志すようになりシーボルトの門下から医学を学び、日本の女医第一号になるのです。
ちなみにシーボルトは草津宿の本陣に宿泊した記録があるそうです。
話は少し反れますが、現代から江戸末期にタイムスリップした医師の活躍を描いた「JIN-仁-」という漫画がありました。テレビドラマ化もされたのでご存じの方もいるでしょう。
緒方洪庵や坂本竜馬など幕末の実在の人物も登場します。
仁がタイムスリップした先で知り合った武家の娘、咲が女医を志すようになるきっかけがこのイネとの出会いという設定になっています。
一方、フィクションの方はイタリアオペラにもなった「蝶々夫人(マダムバタフライ)」
こちらの時代設定は明治。
長崎に赴任したアメリカ海軍士官ピンカートンは蝶々さんと結婚します(いわゆる現地妻)
しかし結婚生活も束の間、彼はアメリカへ帰国してしまう。
ひたすら彼の帰りを待つこと3年、ピンカートンはアメリカ人の妻を伴って再来日する。
子供を引き取りに来たことを悟った蝶々さんは悲しみのあまり自害する。
というストーリー
このオペラ内のアリア(劇中の肝になる独唱曲)の「ある晴れた日」は有名で聞き覚えのあるメロディだと思います。
私がこのメロディを聞いたのは子供の頃、地元で長崎ちゃんぽん・皿うどんを作っている「みろくや」という会社のテレビCMの替え歌ででした。
これが有名なオペラのアリアだったことは後から知りました。
こちらも少し話が反れますが、作曲はイタリアを代表するオペラ作曲家プッチーニ。
もう一つの代表的オペラ「トゥーランドット」の中のアリア「誰も寝てはならぬ」はこれもまたCMなどで聞き覚えのある曲でしょう。
トリノオリンピックのフィギュアスケートで荒川静香さんが金メダルを獲得した時にも選ばれた曲ですね。
(サビの部分を聞くとイナバウアーを連想してしまう)
コロナで動けなかったですが、久しぶりに年末あたり帰省しようかと考えています。
ばってんT村でした。
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