★オリーブホームページはこちらからどうぞ!
懐かしの日本家屋 ― 2021/12/18
木造建築物に懐かしさを感じるのは懐古の情だけではなく、昭和世代で生まれ育った環境でなじみがあるからだと思います。
故郷の実家は大工だった母方の祖父と叔父が建てたものです。
小さい頃、目の前で徐々に木々の一本一本が組み立てられて家の形になっていく過程を珍し気に眺めていた記憶があります。
両親の祖父母の家は土間にかまどがあって薪で煮炊きしていた時代、そういえば火鉢もありました。
小学校の校舎も田舎の国鉄(今のJR)の駅舎も木造の時代でした。
と言うようなことを思い出したのは、前回のブログで話題にした落語の会場が、歴史ある木造建築の屋敷内だったからです。
滋賀県守山市赤野井町の大庄屋諏訪家(おおじょうやすわけ)屋敷というところで、近くにありながら存在を初めて知りました。
土間にパイプ椅子を並べ、座敷に高座をつくって会場とされていました。
ここは一般公開されているので屋敷や庭の見学ができます。
日本遺産の看板にあった説明の冒頭をそのまま書くと
「近世に大庄屋として活躍した諏訪家の屋敷。古くから琵琶湖に向かう水路網が発達しており、屋敷内には舟入が残り、水運盛んな往時の姿を今にとどめています。」
諏訪家という名から信州がルーツだったとの説もあります。
屋根は葦(よし)葺きとスタッフの方が言われていました。琵琶湖を抱える滋賀県らしい。
琵琶湖から川を伝って舟で茶室下へ。今は水路の跡だけだが、ここに舟が着いていた。
茶室 大津の円満院から移設された江戸時代のものとされる
場所は変わって、紅葉シーズンに見学に行ってきたのが京都の下賀茂神社近くにある旧三井家下鴨別邸です。
豪商で財閥だった三井家の別邸で、期間限定で2階、3階が特別公開されていました。
元々、明治13年に木屋町に建てられた主屋が移築され、玄関棟はこの敷地内に増設されたものです。
この屋敷が見どころ満載で、まず広くて迷子になりそうでした。
右側の丸窓がある建屋は茶室、幕末以前から元々この敷地内にあったもの
屋敷と茶室の間の渡り廊下の天井、木材を反らせている
庭に面した広間、冬にこんなところで日向ぼっこしながら昼寝したら気持ちよさそう
金を施した釘隠し
2階から3階へ上がる階段の入口にある蛇腹の戸。L字に曲がるので開けたときは側面に収納されます。
3階、左に比叡山を望む
3階は四方に窓があり眺望を妨げる雨戸の戸袋がありありません。雨戸は窓の下からせり上がってくる構造になっていました。
スタッフの方が実演すると、見学者から「オォ~」という感心の声。
庭も併せて、2時間近くもウロウロと見学しました。
そしてつい最近、観に行ったのが日野にある鎌掛(かいがけ)小学校。
ここは、当時の姿をそのままとどめています。言い換えると、朽ちるがままになっているということです。
到着して校舎の中に入ると、奥から「寒かったでしょう、職員室に入りませんか?」とスタッフの方が出てこられました。
職員室がスタッフ控室になっていました。
いろいろお話しを聞くことができたのですが、学校は2001年まで使われていたそうです。
予算がなく、補修などができないとも。
映画やテレビドラマのロケハン隊もよく来るそうで、パンフレットを見るとここ数年でロケに使われた映画、テレビドラマ、アニメの題名が書かれていました。
まさしく昔の小学校ってこんなんだったな、と懐かしい思いに浸りながら見て回っていると時間が経つのを忘れていました。
校長室、その奥に職員室
教室
スタッフさんの話も聞きつつ最後に思ったのは、もっと保存に力を入れ、存在をPRしないとそのうち老朽化して解体されてしまう、という心配です。
我々訪問者ができるのは、入場料や寄付で貢献することでしょうか。見学に入場料は不要だったのですが、募金箱があったので、わずかながらの金額を寄付して校舎を後にしました。
日本家屋ウォッチングも楽しいものです、はってんT村でした。
こんな本読んでいます ― 2021/12/26
分野にこだわらず面白そうと思った本を読むのが趣味なのですが、ほぼ図書館から借りています。
最近読んでいるのは、ヤマザキマリさんの「プリニウス」
あの「テルマエ・ロマエ」の作者です。
プリニウスは紀元1世紀のローマ帝国の博物学者で、自然界を網羅する百科全書「博物誌」を書いた実在だった人。時代はあの暴君の皇帝ネロの頃です。
ストーリー概要は
プリニウス
口述筆記係のエウクレス、彼はギリシア人
皇帝をあやつる女あり
2,000年前のローマ人も闊歩していたポンペイの石畳
現在も継続して発刊中です。
さらに並行して読んでいるのが「きのう何食べた?」
これもマンガですが、図書館ではなく妻から借りて読んでいる本。
同居している弁護士と美容師のゲイカップルが主人公で、日々の出来事を描いている。
一話完結ものですが、毎回レシピと共に調理シーンが出てくるのが特徴。料理もストーリーと関連したものになっている。料理の描写がいいです。
過去にテレビドラマ化されましたが、ストーリーがマンガどおりで俳優をマンガのキャラクターに外観も含め似せているのもおもしろい。
連載開始は2007年ですが、連載を重ねるのと合わせて登場人物が歳をとっていくのもストーリーの特徴です。
マンガばかりではなく、こんなものも今読んでいます。
観光で寺社、教会やモスク、美術館など訪れることがありましたが、対象物の意味を知って観るとより興味がわき、おもしろいのではないかと思い、拾い読みしています。
例えば仏像の部位の名称とその由来や意味
アフロヘアのような螺髪(らはつ)、これはインド人の縮れ髪やガンダーラ地方のギリシア系住民のウェーブがかかった髪がこのような造形になったそうです。
アフロが過ぎる京都、光明寺の阿弥陀仏
例えば宗教画の登場人物は誰なのか
例えばイスラム教徒のメッカ巡礼の手順
なかなか勉強になります。
以上、脈絡のない読書形態ですが、知るということはいくつになっても楽しいものです。
ばってんT村でした。では、よいお年を。
★コメント・トラックバックは内容確認後公開しております
★オリーブホームページはこちらからどうぞ!
★オリーブホームページはこちらからどうぞ!
最近のコメント