★オリーブホームページはこちらからどうぞ!

タイ文字を読もう2022/11/06

コロナ禍前の2019年、訪日外国人観光客数の国別順位でタイは韓国、中華圏(中国、台湾、香港)に次ぐ第5位でした。

 たしかに京都でもタイ人観光客はよく見かけました。

日本人の旅行者にもタイは常時4~6位で人気の海外旅行先となっています。


 外国へ行ったとき、言葉をちょっとでも話せると現地の人とふれあうことができます。さらに文字が読めるともっと楽しみが広がります。


 数年前ブログで簡単なタイ語の紹介をしましたが、今回は文字の紹介をしたいと思います。

 読めて、どこで使えるかって? ずばりローカル食堂です、日本と同じで地元の人が行く店は安くておいしい。タイ語のメニューしかないところも多いのでそこで役に立ちます。

(日本のラーメン屋に日本語メニューしかないのと同じです)


 また、街中やホテル、空港などで目に入った文字を読んでみるというのも一興です。読めると模様にしか見えなかった文字が意味をなしてきます。


たとえば、通りでタクシーを拾おうとして探しているとフロントガラス越しに

ว่าง

と電光表示しているタクシーを見かけます。ワーン()と読みますが「空いている」という意味で、つまり空車を示しています。


  以前、ハングル文字の紹介をしましたが、ハングル文字よりはハードルは高いです。

ハングル文字が子音14文字、母音10文字、声調記号なしに対し、タイ文字は子音42文字、母音9文字(二重母音もあるので音はもっと多い)、声調記号4種類の組み合わせです。

また、タイ文字は子音の上下左右4方向、自由奔放に母音がくっつきます。

 

 でも日本語はひらがな46文字、カタカナ46文字、漢字300~400(N3合格レベル)ですから文字としてはもっと難解ではないでしょうか?

 日本語を勉強する外国人のたいへんさがよくわかります。


 タイ語の母音は日本語「あ、い、う、え、お」とほぼ同じ発音の短母音と、「aa、ii、uu、ee、oo」と伸ばして発音する長母音や2つを組み合わせる二重母音などがあります。


例えば

า は長母音でaa 、    は二重母音でai と発音 


次によく出てくる子音をいくつか紹介すると

 は m 、    p  b、     th(hが付くと息を吐き出す有気音を示す)に相当


 、 はよく似ていますが、〇の数や棒の長さが違います。このような紛らわしい文字もいくつかあります。


 でも、日本語でも「わ」と「ね」、「ソ」と「ン」のように類似形がいくつもあるのと同じですね。


さて、これら母音と子音を組み合わせると、

例えば  m と  aa  

มา で maa マー、これは「来る」の意味です。子音の右側に母音がついています。


 同じつづりでも ม้า と上に声調記号がつくと「馬」の意味になります。

これは高い音からさらに高く発音します。


   p  と   ai で


ไป pai  パイ、「行く」の意味です。 これは左側に母音 ai がくっついています。


ไทย 国名である「タイ」はこう書きます。 

ไท これだけでthaiと読めるのですが、後ろに子音の  yが付きます。


บาท タイの通貨単位であるバーツはこう書きます。

 分解すると b と  aa  で บา  baa  

この後ろに   th が付いてbaath


 日本語でバーツと言ったり書いたりしますが、タイ語の発音では最後のツはほとんど聞こえません。


 ちなみに、タイの代表的な料理、エビのスープ料理であるトムヤムクンはこう書きます。

ต้มยำกุ้ง


これは3つの単語の合体です。

ต้ม トム  煮る、ゆでる

ยำ ヤム 和える、混ぜ合わせる

กุ้ง クン エビ


 上で紹介していない文字も入っていますが、少しずつ憶えていけば短い単語なら読めるようになります。

 メニューであれば、飲み物か料理名しか書いていないので読めない文字が混じっていても、まぁ推測がつきます。文字を読むいい勉強になるんです。


 これがメニューの一例ですが、左側の一番上はソムタムと書いてあります。青いパパイヤを使ったサラダのことでこれもタイのポピュラーな料理です。




 ドラマ、映画、ポップスなどで韓国ブームが続いていますが、ファンはやはり韓国語を勉強する動機になるそうで、オリーブに見学に来ていた中国人女性も韓国語を話せてハングルも読める、と言っていました。


 このように好きだからというきっかけで外国語を勉強するのが一番いいのかもしれませんね。

ばってんT村でした。


表現のワナと読解力2022/11/23

 今年の夏でしたか、架空の動物を社名にしている飲料メーカー K社の「トロピカーナ」というジュースに表示法違反があったことがニュースになりました。

下はネットから引用した写真ですが、100% MELON TASTE と書いてあります。実際のメロン果汁は2%だったのです。



販売前には、社内でこんな会議がやられたのではないでしょうか?

社員A 「部長、この価格設定では、使用できるメロン果汁は2%程度が限度です」

商品企画部長 「それでは話にならない。うちはオレンジ、アップル、グレープフルーツ、マンゴー、パイナップルすべて果汁100%が売りなんだよ、なんとかならないのか?」

社員B 「では他の果汁を混ぜて果汁100%にしましょう」

商品企画部長 「それだとミックスジュースになるじゃないか。メロンをドーンと前面に出したいんだよ」

課長C 「こうすればどうでしょう。メロン果汁100%とは書けないので、100% MELON TASTE と英語で表示するのです。
メロンの味がするという意味になります。これで100%とMELONという文字が視覚的に印象に残ります。そしてぶどう、リンゴ、バナナ果汁の混合比を工夫してできるだけメロンの味に近づけましょう。」

社員D 「しかし課長、ちょっと紛らわしいと思います。消費者からクレームがくる可能性はありませんか?」

課長C 「もちろん、パッケージの側面には名称:ミックスジュース、原材料名:ぶどう、りんご、バナナ、メロンと正しく表示するから問題はないはずだ」

商品企画部長 「なるほど虚偽の表示にはならないし名案だ。C課長の案を経営会議で提案してみよう。さっそくパッケージのサンプルを作ってくれ」

(以上、私の想像で物語はフィクションです)

 でもメロンテイストという表記が誤認を招き紛らわしい、という指摘を受けたようです。英語を使うとは姑息です。

紛らわしいといえば、パンやお菓子のパッケージでよく見る小麦粉(国内製造)という表現。

 こんな表示

 国内製造と書いてあるので、国産小麦を使っていると勘違いしそうですが、実は輸入小麦を使って日本で製粉している、と言う意味で「国内製造」と書いてあるのです。
ただ、この表現は違法ではありません。

 輸入物より高い国産小麦を使っていれば、表に「国産小麦粉使用」と誇らしげにデカデカと書いてあるはずです。

 さて、身の回りにはだまされたり勘違いしそうな表現が少なくないですが、読解力となると少し事情が変わってきます。
最近、こんな新聞記事が載っていました。

「原点Oと点(1,1)を通る円がX軸と接している」図はどれか、①~④のうちからすべて選びなさい、という問題です。
中学、高校生の正答率が10~45%と非常に低いという記事でした。

 数学の知識は特に必要ありません。単に読解力を試す問題ですが、大人でも注意しないと間違えそう。



 話変わって、普段の生活ではまず出てこない用語に「扶養者」という単語があります。
会社員の年末調整や社会保険の手続きなどでまれに出くわす程度です。

 「扶養者の収入」などの表現があった時、どっちの意味だったかなとしばらく迷います。
扶養者とは扶養する側なのか、扶養される側なのか?

「被扶養者」というもう一つの単語が出てきて初めて「扶養者」はする側だと理解するのです。
(今や、ネットで検索すればすぐわかることなのですが)
 もっとわかりやすい用語か説明文にしてもらいたい、とお役所作成の文章に出会うといつも思います。


最後に、さきほどの問題の解答ですが、正解は①です。
①~④のうちからすべて選べと言われると複数あるのかと考え、②や➂も選びそうになります。

「接している」の正しい意味を知っていないと引っかかるのかもしれません。
また、すべて選べという問題文が解答者を迷わせるワナにもなっていますね。
ばってんT村でした。

★コメント・トラックバックは内容確認後公開しております
★オリーブホームページはこちらからどうぞ!