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表現のワナと読解力2022/11/23

 今年の夏でしたか、架空の動物を社名にしている飲料メーカー K社の「トロピカーナ」というジュースに表示法違反があったことがニュースになりました。

下はネットから引用した写真ですが、100% MELON TASTE と書いてあります。実際のメロン果汁は2%だったのです。



販売前には、社内でこんな会議がやられたのではないでしょうか?

社員A 「部長、この価格設定では、使用できるメロン果汁は2%程度が限度です」

商品企画部長 「それでは話にならない。うちはオレンジ、アップル、グレープフルーツ、マンゴー、パイナップルすべて果汁100%が売りなんだよ、なんとかならないのか?」

社員B 「では他の果汁を混ぜて果汁100%にしましょう」

商品企画部長 「それだとミックスジュースになるじゃないか。メロンをドーンと前面に出したいんだよ」

課長C 「こうすればどうでしょう。メロン果汁100%とは書けないので、100% MELON TASTE と英語で表示するのです。
メロンの味がするという意味になります。これで100%とMELONという文字が視覚的に印象に残ります。そしてぶどう、リンゴ、バナナ果汁の混合比を工夫してできるだけメロンの味に近づけましょう。」

社員D 「しかし課長、ちょっと紛らわしいと思います。消費者からクレームがくる可能性はありませんか?」

課長C 「もちろん、パッケージの側面には名称:ミックスジュース、原材料名:ぶどう、りんご、バナナ、メロンと正しく表示するから問題はないはずだ」

商品企画部長 「なるほど虚偽の表示にはならないし名案だ。C課長の案を経営会議で提案してみよう。さっそくパッケージのサンプルを作ってくれ」

(以上、私の想像で物語はフィクションです)

 でもメロンテイストという表記が誤認を招き紛らわしい、という指摘を受けたようです。英語を使うとは姑息です。

紛らわしいといえば、パンやお菓子のパッケージでよく見る小麦粉(国内製造)という表現。

 こんな表示

 国内製造と書いてあるので、国産小麦を使っていると勘違いしそうですが、実は輸入小麦を使って日本で製粉している、と言う意味で「国内製造」と書いてあるのです。
ただ、この表現は違法ではありません。

 輸入物より高い国産小麦を使っていれば、表に「国産小麦粉使用」と誇らしげにデカデカと書いてあるはずです。

 さて、身の回りにはだまされたり勘違いしそうな表現が少なくないですが、読解力となると少し事情が変わってきます。
最近、こんな新聞記事が載っていました。

「原点Oと点(1,1)を通る円がX軸と接している」図はどれか、①~④のうちからすべて選びなさい、という問題です。
中学、高校生の正答率が10~45%と非常に低いという記事でした。

 数学の知識は特に必要ありません。単に読解力を試す問題ですが、大人でも注意しないと間違えそう。



 話変わって、普段の生活ではまず出てこない用語に「扶養者」という単語があります。
会社員の年末調整や社会保険の手続きなどでまれに出くわす程度です。

 「扶養者の収入」などの表現があった時、どっちの意味だったかなとしばらく迷います。
扶養者とは扶養する側なのか、扶養される側なのか?

「被扶養者」というもう一つの単語が出てきて初めて「扶養者」はする側だと理解するのです。
(今や、ネットで検索すればすぐわかることなのですが)
 もっとわかりやすい用語か説明文にしてもらいたい、とお役所作成の文章に出会うといつも思います。


最後に、さきほどの問題の解答ですが、正解は①です。
①~④のうちからすべて選べと言われると複数あるのかと考え、②や➂も選びそうになります。

「接している」の正しい意味を知っていないと引っかかるのかもしれません。
また、すべて選べという問題文が解答者を迷わせるワナにもなっていますね。
ばってんT村でした。

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