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隠喩2012/07/22

隠喩とは
比喩法のひとつ。「・・・のようだ」などの形を用いず、そのものの特徴を直接他のもので表現する方法。「雪の肌」「ばらの微笑み」の類。
と辞書にあります。

実はこの隠喩が重要な要素になっている映画があります。「イル・ポスティーノ」というイタリア映画です。我々がボランティアで携わっている言語に無関係でもないのでちょっと紹介してみたいと思います。

あらすじは、
(ナポリ沖にある小さな島。そこにイタリアに亡命してきたチリの偉大な詩人で外交官のパブロ・ネルーダが滞在することになります。島の青年マリオは郵便配達人として世界中からの手紙を毎日パブロへ届けます。そのうち2人の間には友情が芽生え、マリオは詩のことをパブロから教わり興味を持つようになる。島の娘ベアトリーチェに一目惚れしたマリオはその詩を使い・・・)
というものです。

 詩にはさまざまな隠喩が含まれており、マリオはそのすばらしさを知っていくのです。セリフのやりとりが面白い大人の映画です。

一例を挙げますと、
 ベアトリーチェには保護者代わりのおば、ローザ(たぶんそのような名前だった)がいます。ある日ローザは、ベアトリーチェがマリオにもらったラブレターを取り上げ、それを村の司祭に読んでもらいます。(舞台は1950年代、文盲だったのでしょう)

 ラブレターには詩が書かれていました。それを読んでもらったローザは「ベアトリーチェの裸を見なければこんな詩は書けるわけがない。だってそのとおりなのだから」とカンカンになります。でもマリオは純情青年で彼女に指一本触れていないのです。詩には隠喩が使われており、その威力だったのです。

隠喩は我々も実生活で案外使っていると思います。会社で「部長は鬼だ!」とかね。

ちなみに映画は実話ではありませんが、パブロ・ネルーダはノーベル文学賞ももらった実在だった人物です。

ばってんT村でした。
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