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海外旅行は高嶺の花?2023/09/12

 コロナ禍後の観光旅行が復活し、日本も外国人観光客であふれかえっている状況がニュースでたびたび報道されています。
 特に最近は円安で、外国からの観光客にとっては「安い日本」も追い風になっているようです。

 一方、日本人から見るとこの円安と物価高から海外旅行をためらうような昨今ではないでしょうか?海外旅行が昭和時代のような高嶺の花となったような感があります。

 バカンスシーズンは終わりましたが、8月にこんなイタリア国内の観光地に関する記事を読みました。
 「物価高による航空機、宿泊施設、パッケージ旅行の値上がりが、イタリア人の休暇の習慣を変えさせた」というものでした。
 観光地での値上げがこれまでの2~3倍になっているとのことです。

 細かい事例がいくつか載っていて
・コモ湖を訪れたカップルはサンドイッチを半分にカットする代金として2ユーロ(約300円)を支払った
・サルディニアのホテルで、コーヒー2杯、ミネラルウォーターボトル2本に60ユーロ(約9,500円)を支払った
・ポルトフィーノ近郊のレストランでは取り皿1枚に2ユーロ取られた
・ビーチでサンベッド(あの寝そべるやつ)2台とパラソル1本をレンタルすると平日50ユーロ、週末100ユーロ(約15,000円)した。

 イタリア人の多くは国内旅行をあきらめ、アルバニアやモンテネグロなど物価の安い近隣国へ出かけている、と書かれていました。
 国内は無理だから外国へ、というのも地続きのヨーロッパだからできることなのでしょう。

 話変わって私事になりますが、実は2012年と2013年に個人旅行でイタリア各地を回ったことがあります。やっぱりイタリアって見どころが多いのです。
 10年ひと昔と言いますが、当時と比べどのくらい値上げされたか、円安の影響があるかをちょっと調べてみました。

  まずユーロ:円のレートですが、2012年、関空で両替した時1ユーロ=100円でした。当時、ユーロは現地より関空で換金した方がレートがよいという話はほんとうでした。
2023年9月現在、ネットで見るとユーロ160円ほどです。お~ とんでもない円安だ。


  1ユーロ100円の時代があった・・・


いくつか例をあげますと
ローマ1日乗車券(ローマ市内のバス、地下鉄が一日乗り放題)
2012年 6ユーロ(600円) ⇒  2023年 7ユーロ(1,120円)

コロッセオ入場券 
2012年 12ユーロ(1,200円)⇒ 2023年  18ユーロ(2,880円)

ローマ市内一日乗車券とコロッセオの入場半券

コロッセオの内部、なぜかブルースリーを連想する


ヴァチカン美術館入場料
2012年 15ユーロ(1,500円) ⇒ 2023年 17ユーロ(2,720円)

カンパニア州(ナポリがある州)3日券 バス、トラムが3日乗り放題
2012年 20ユーロ(2,000円) ⇒ 2023年 変わらず20ユーロ(3,200円)

ヴァポレット乗車券(ヴェネチアの運河を走る乗り合い船)
一回券  2013年 7ユーロ(700円) ⇒ 2023年 9.5ユーロ(1,520円)
24時間券 2013年 20ユーロ(2,000円)⇒ 2023年 25ユーロ(4,000円)
乗り場で初めて料金を見た時はびっくりしました。1回乗って700円・・・と思いましたが、今だと1,520円、絶句。

  ヴェネチア ゴンドラを貸切ると数万円はする

  ホテルに関しては当時、節約するため事前にネットで一泊1万円以下のホテルを探しまくりました。
残っていた領収書を見ると
2012年 ナポリで 一泊当たり42ユーロ(4,200円)
2013年 フィレンツェで一泊当たり69ユーロ(6,900円)
のホテルに泊まっていました。今見るとありえない安さ!

 世界に名の知れた観光地ヴェネチア市内ではさすがに一泊1万円以下のホテルなどなく、鉄道で一駅離れた街で1万円以下のホテルを見つけて予約しました。
 日本で例えると、京都市内のホテルを避けてJR大津駅前のビジネスホテルに泊まるようなものです。

  6~7年前でしたか、とある日の夕方、京都から草津に帰る電車の中で外国人女性観光客2人連れと偶然向い合せで相席になったことがありました。これからどこに行くのか聞くと「モリヤマ」と言う返事。
守山になにかあるんですか?とさらに聞くと「京都のホテルの予約がとれなくて、守山にあるホテルにした」とのこと。

 人気の美術館は長蛇の列ができます。私がヴァチカン美術館へ朝9時ごろ行ったときはすでに長蛇の行列。
周囲の歩道をぐるりと囲むように行列ができていて入口はまったく見えません。入場まで1時間以上待ちました。

  ヴァチカン美術館内、地図の間


 真夏の8月だったので、待っている間に具合が悪くなった人も出たのでしょう、救急車が来るほどでした。
 最後尾にいた時、「ここが行列の最後ですか?」と尋ねてきたポーランド人女性と、お互いの国の話をしながら待っていたので私の場合、幸い退屈はしませんでしたが。

 コロナ禍の影響と、今はオーバーツーリズム対策もあるのでしょう、イタリアに限らず博物館や美術館が軒並み事前予約が推奨、あるいは必須になっています。

 海外旅行を予定されている方は、観たい美術館、博物館などがあれば出発前にオンラインで事前予約した方がよいでしょうね。組み込まれているツアーに参加するのが一番かも。

 例えば、ミラノの教会内にあるあの有名なダヴィンチの「最後の晩餐」ですが、今は完全予約制になっていて、すぐいっぱいになるそうです。
 20年ほど前、出張でミラノに行ったことがあり、せっかく来たからと休日に「最後の晩餐」を観るためこの教会を訪れたことがあります。当時は普通に入れたのですが、今や予約をとることすら難関な所になってしまったようです。

 まだ比較的自由でゆとりのある旅行ができたひと昔、ふた昔前に戻れたら、というのは贅沢な悩みなのかもしれません。
ばってんT村でした。

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