飛行機旅、こんなこともあった ― 2021/07/25
週刊新潮の五木寛之さんのエッセイにこんな内容のものがありました。
以下、要約
コロナのせいで催しがすべて中止になっていて2年近く飛行機に乗っていなかったが、久しぶりに高知まで飛んだ。
機中、これまでの飛行機旅のことが頭に浮かぶ。昔、パンアメリカン航空の国際線に初めて乗った時、ガラガラで客室乗務員の方が多いくらいだった。
スチュワーデス(当時はこう言った)は母親みたいな年配の人で、なにかと世話をやいてくれて大助かりだった。
途中、私の隣の席に腰をおろしていろいろ話しかけてきたりする。英語がわからない私はふんふんとうなずくのみ。
そのうち彼女はためいきをつきながら自分の首筋の当たりを手でもみ始めた。どうやらひどく肩が凝っているらしい。
そこで「エクスキューズミー」と言って肩を揉んであげたら「すばらしい。ユーはトレーナーか?」と聞いてきた。
しばらく揉んであげた後、彼女は席を立って同僚を3人連れてきた。この人はプロのマッサージ師とか言っているようだ。この三人の肩も揉んであげたら、後から山ほどのキャビアとシャンパンを出してくれた。
嘘みたいな話だが、当時は世界中おおらかだったのだ。
という概要だったのですが、おそらく上記は1970年代のエピソードではなかろうかと思います。
確かに昔は今ほど保安上も厳しくなかったようです。航空機が乗っ取られたアメリカの同時多発テロ事件が発生した2000年代以降から一気に厳しくなった印象があります。
その、まだおおらかだった時代、私も次のような体験をしました。
出張でイタリアからフランスへ飛行機で移動した時のこと。離陸して水平飛行になりシートベルト着用ランプも消えました。
しばらくすると客室乗務員(以下CA)が操縦室のドアを開けパイロットたちと雑談(っぽかった)を始めました。もちろん自動操縦に切り替わった後だったのでしょう。
ドアは開けっ放しでした。小型の飛行機で前の方の席だったので様子がよく見えました。その時、フッと思いついて近くにいたCAに「コックピットを見せてもらえませんか?」と頼んでみたのです。
すると「パイロットに聞いてきます」と操縦室に行きしばらくして戻ってくると「OKです。でも中には入らないでね」と承諾してもらえたのです。
席を離れ、開けっ放しのドアのそばに立ち操縦室の中をじっくり観察できました。パイロットとあいさつ、お礼程度の会話は交わしましたが、さすがに質問なんかはできません。
今だと絶対ありえないですよね。この時、操縦席の前方窓越しに見た青空はまぶしかった。
その他、飛行機の旅に関してこれまでの経験で印象的だったことを書き連ねてみました。
・ロストバッゲージ
これまで二度経験しました。
乗り継ぎがあると、当然荷物も積みかえるので荷物が行方不明になる可能性があります。
一度目は、出張でアメリカのノースキャロライナ州のシャーロットというところにアメリカ国内乗り継ぎで行った時の事。
シャーロットの空港、グルグル回るターンテーブルが停止するまでついに私のスーツケースが出てきませんでした。初めてのことでどうしたらいいかわからず、近くの空港職員に聞いて、窓口を教えてもらいそこに行きました。
そこでタグの半券を見せると、スーツケースのサイズ、色、特徴などを聞かれました。いろんなスーツケースやバッグのイラストが描かれた用紙も見せられ、どのタイプに近いかも聞かれました。そして最後に滞在するホテルの住所を書いて終わり。
その日は手荷物だけでホテルにチェックイン。翌日の朝、無事スーツケースは届けられました。戻ってくるのが早かったな、という印象でした。
空港で迷子になってターンテーブルに載せ忘れられただけだったのかもしれません。
二度目は予想がつきました。マルタ共和国からドイツのフランクフルト乗り換えで関空に帰国したときの事。
チケットを見ると乗り換え時間が40分程度だったので、人間が乗り継ぎするのでさえギリギリだな、と思っていました。
荷物が積み残された場合を想定し、ホテル出発前にスーツケースの写真を撮っておきました。
案の定、関空に着くと出口に職員が私の名前を書いた紙を持って待っていました。
やはり、乗り換え時間が短くて荷物が積み換えできなかったようです。
この時は宅配便で3日後くらいに自宅に到着しました。
これらの経験からプライベートで海外へ行く時は、バッグは機内持ち込みサイズ一つにして預けないようにしています。
行方不明の心配もなく、到着後にターンテーブルで預け荷物を待つ必要もないので一石二鳥です。
・乗り継ぎできず
荷物ではなく、自分自身が乗り継げなかったことは一度ありました。
イタリアからドイツのフランクフルト経由で帰国時のこと、イタリアからの飛行機の出発が2時間くらい遅れたため、乗り継ぐ関空行きの便に間に合わなかったのです。
機材のトラブルで出発が遅れたのが理由だったので、航空会社の窓口で交渉してチケットを再発行してもらいました。
その日はすでに日本までの直行便はなかったのですが、上海便があったため、フランクフルト→上海→関空と中国経由になりましたが、何とか帰国できました。
この時は旅慣れた営業社員が同行していたので交渉までしてくれて助かったのですが、無理せずフランクフルトで一泊してもよかったんだけどな~、と内心思っていました。
・預け荷物を降ろします
タイのバンコクからの帰国時のこと。搭乗口で搭乗開始を待っていましたが、出発時間を過ぎても搭乗のアナウンスがありません。
しばらくすると日本語で「荷物をお預けになったお客様が1名お見えになりませんので、今から預けられた荷物を降ろします。それまであとしばらくお待ちください」とのアナウンスがありました。
こんな事は初めてでした。どんなに遅れてもいいから荷物見つけて降ろしてな~、と思って待っていました。何が積まれたかわからないですから。
・お医者様をお探ししましょうか?
後輩と2人で上海からの出張帰りの機内のことでした。彼には持病があり、薬で発作を抑えていることは以前から知っていました。
ところがあろうことか、彼が機内で発作を起こしてしまったのです。その表情を見かけたCAがツカツカと我々のところに寄ってきて「どうなさいましたか?機内にお医者様がいらっしゃらないかアナウンスしましょうか?」と言ってきたのです。
しばらくすれば発作は治まることは知っていたので、そのことを伝え申し出は辞退したのです。
しかし関空到着後、我々はその航空会社に呼ばれ彼は調書みたいな用紙に色々書かされていました。要注意人物のリストにでも載ってしまったのでしょう。
知人のお医者さんに聞いた話ですが、国際線の機内で「お医者様いらっしゃいませんか?」に遭遇したことが一度あったそうです。
本音を言えば手はあげたくなかったが、やはり医者の使命感から対応したそうです。幸い痛み止めの応急処置で済んだそうですが、その時に見た飛行機備え付けの救急キットは相当充実していて、出産に必要な医療器具までそろっていたそうです。
・予約はキャンセルしました
今では不要のリコンファーム(予約の再確認)
予約した便の搭乗3日前までに、搭乗の意志を航空会社に連絡するという決まりというかルールが昔はありました。
リコンファームなしだと、航空会社はそれを勝手にキャンセルできて新たな客を乗せることができたのです。
でも、リコンファームなしで実際にキャンセルされることはありませんでした。簡単にネットでコンタクトできる時代ではなかったので、電話などで連絡をとるのは面倒くさかったのです。
ずいぶん昔ですが、そうやって高を括ってリコンファームせず一度やられてしまったことがあります。
出張で中国の厦門から上海経由で日本に帰る時のこと。ずいぶん前に予約したので念のため予約確認しとこか、ということでリコンファームしてもらったところ、2人とも厦門→上海便がキャンセルされていたのです。
二人の感想は「ホンマにやりよるんや!」
海外便ではなく中国の国内便だったのですけどね・・・ 当然満席で新たに予約もできず、一日遅れで帰国しました。
・虫歯に注意
最後に話変わって、海外旅行保険では虫歯の治療については補償されませんのでご注意を(特約をつければ可能)
案外知られていません。
私はイギリス出張中、虫歯を治療した後の詰め物が食事中に抜けてしまったことがあります。さすがに飲み物などがしみて痛いので現地で歯科に行きました。
日本で治療するから仮詰めだけしてと言ってしてもらったのですが円換算で一万円相当を払いました(クレジットカードが使えた)
海外で病院にかかるとだいたい高額です。
今はわけのわからないウィルスもあることだし保険は必須ですね。その前に海外に行けるようになるのはいつになることやら。
ばってんT村でした。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://olive-shiga.asablo.jp/blog/2021/07/25/9401673/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
★オリーブホームページはこちらからどうぞ!
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。