さざれ石と錦 ― 2019/05/13
元号が「令和」に変わりました。実は2,000年以上もひとつの王朝(天皇)が途切れず続いている国は世界中で日本しかないのですね。
そして国歌である「君が代」ですが、ルーツは古今和歌集に祝いの言葉として収録されていたものなので歌詞の出どころも相当古いと言えます。
歌詞は「幸せな時がずっと続きますように」という意味です。
ただ、これに曲をつけて国歌としたのは明治になってからで、なんと正式な国歌になったのは平成11年(1999年)とのことです。
「君が代」が国歌であることは当然認知されていましたが、それまで法的には定めていなかったというわけです。
さて、歌詞に出てくる「さざれ石」ですが、現物を見たことがあります?
私は、偶然ですが京都の護王神社にさざれ石があることを知りその存在を知りました。
歌詞の意味も正確には知らなかったほどですから、さざれ石と言うものが実在するとは思ってもいませんでした。
さざれ石を説明文からそのまま引用すると、
「石灰石が長い年月のうちに雨水に溶解し、時には乳液状となって大粒な石、小粒な石を次々と集結して自然に大きな巌となったものであり、たいへんおめでたい石とされています」
とあります。歌詞どおり、護王神社のさざれ石も一部は苔むしていましたね。
このさざれ石は日本各地にあり、身近なところでは、多賀大社、下賀茂神社にも置いてあるそうです。さざれ石の主要産地は岐阜県らしいですよ。
ここから話はがらりと変わります。
護王神社は京都御所の西側に位置し地下鉄だと丸太町が最寄り駅になります。
先月、足腰の守護神としていのししが祀ってあるこの神社を再訪した後、天気もいいしちょっと歩くか、ということでついでに錦市場まで散歩しました。
行ってびっくり、うわさやニュースの報道どおり、錦市場も今や外国人観光客でいっぱいです。久しぶりに来ましたが、数年前まではこんなことはありませんでした。
見ていると、個人旅行者だけでなく、旗を持ったツアーコンダクターが旅行者グループを先導して錦市場へ連れてきているのですから混雑に拍車がかかるはずです。
あまりの混雑ぶりに早々にこの商店街のある錦小路通りを奥まで歩くのはあきらめ、交差した脇道にちょっと逸れてみようと思いました。行ったことのない通りで案外おもしろいものに出会えるかもしれないのです。
まず、堺町通りに曲がってみました。すると昭和の香りがする木造建屋を発見、看板の文字「錦湯」からこれは銭湯ではないですか。こんなところに銭湯があるとはちょっと意外。スーパー銭湯ではなく、入口に番台がある昔ながらの銭湯ですね、なつかしいです。
それと伊藤若冲の生家跡モニュメントが商店街の入り口にあることに気づきました。2013年にできたそうですが、これも知りませんでした。
ここまでけっこう歩いたのでコーヒーでも飲んで休憩しようと思い錦小路通りのスタバを見ると、ここも観光客でいっぱい。あきらめて次に高倉通りに入ってみたら、おっ…なんという偶然、コーヒー発見。
それもカウンターだけの立ち飲みのお店、このスタイル、日本で初めて見ました。立ち飲みしている先客やコーヒー豆を買いに来たおばあちゃんとの会話を聞いていると、地元の人たちの御用達のお店のよう。
さっそく、私も倣ってカウンター越しに「エスプレッソ」って注文。
この日は古さと新しさが同居する京都の一面を見た気がしました。
ばってんT村でした。
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