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英仏を巡って2022/09/25

 前回、パリにあるアメリカ図書館にまつわる小説を紹介しましたが、その物語の中にダンケルクというフランスの地名が出てきます。
 聞き覚えがあり「そうだ、同名の映画があったな」と思い出しました。まだ観ていなかったのでさっそくアマゾンビデオで視聴。


 第二次大戦時の話です。
 ダンケルクはフランス北端にある沿岸都市でドーバー海峡を挟んで対岸はイギリス本土です。北フランスまで勢力を延ばしたドイツ軍がダンケルクまでイギリス・フランス連合軍を追い詰めます。

 まともに対戦したら惨敗すると判断した連合軍は対岸のイギリスへ撤退することに。
でも30万人もいる兵士を運ぶ船舶はどうするのか?
1940年の史実を基にした映画です。

次にフランスつながりで見た映画が「男と女 人生最良の日々」



一作目、1966年のフランス映画「男と女」のあらすじは、
 スタントマンの夫を事故で失った未亡人アンヌと、妻を自殺で失ったレーサーの男ジャン・ルイの二人がドゥーヴィルにあるそれぞれの子供の寄宿学校の送り迎えで知り合い、一目惚れのかたちで惹かれあう。 
 しかし突然失ってしまった愛する人への想いも未だに断ち切れず・・・という、大人のラブストーリー。

 この一作目は観ていないのですが、この題名とあの「シャバダバダ、シャバダバダ~」のテーマ音楽にはなじみがあります。

 今年の6月、ジャン・ルイ役の男優の死亡記事が新聞に載っていたのをきっかけに「男と女」を観てみようと思いたちアマゾンで検索したら、「男と女 人生最良の日々」も出てきたのです。2019年の制作。

 53年後の続編になります。老後の二人を描いているところに興味を惹かれこちらを観てみました。53年前と同じキャスト、スタッフで撮られているところが監督のこだわり、子役まで同じ俳優が演じているのです。

 ジャン・ルイは老人ホームで暮らしていて、認知症ぎみで記憶も定かでなくなってきています。この姿を見た息子は過去を思い出してもらおうとアンヌを探し出し、会ってくれるよう頼みます。

 訪問時、アンヌは名前を明かさず「いい施設を探している」という口実で彼と話しをします。
ジャン・ルイは彼女のしぐさなどを見て似ていると感じながらも本人だとは思っていません。
ほぼ会話で進行するゆったり静かな映画です。

  男優の名前は役名と同じジャン・ルイ、フルネームはジャン・ルイ・トランティニャンと言います。
私の生徒さんに映画好きのフランス人がいるので、彼にこの名前を発音してもらいました。
フランス語だと鼻に抜ける独特の発音でなんか優雅に聞こえますね。

 ちょっと蛇足、映画は最後のエンドロール(キャストやスタッフの名前の表示)まで観る習慣があるのですが、メイクは日本人でした。
Maquillage  Mina MATUMURA と出ていたのです。

マキアージュって日本の某化粧品メーカーの商品名にもなっていますが、化粧の意味のフランス語。それにしてもフランス語、読まないアルファベットが多い。

 さて話題は変わってもうひとつ、今月エリザベス女王の逝去で思い出した映画があります。エリザベス女王の父ジョージ6世にまつわる実話です。

「英国王のスピーチ」、再度観てみましたが、なかなかおもしろかった。


 ジョージ6世(即位前アルバート王子)には吃音症があり、演説などではその症状が出て聴衆をも落胆させます。
 そこで吃音症を克服するために言語療法士を雇って治療を行うことにしたのです。
この二人のやり取りや治療法がおもしろい。

 実はジョージ6世(アルバート王子)には兄がいて、その兄がエドワード8世としてすでに新国王で即位していたのです。
 ところが彼が結婚を望んでいた女性が離婚歴のあるアメリカ人、結婚を強行したためイギリス国内で国王として不適格だとされ1年ほどで退位。
それでジョージ6世に王位が回ってきたというわけです。

 1939年、イギリスはドイツに宣戦布告します。第二次大戦の始まりです。
宣戦布告の同日、開戦にあたりイギリス国民を鼓舞する演説をジョージ6世が行うのですが、これがこの映画のハイライトとなります。

 それにしても、エドワード8世のスキャンダル話って今の王室のヘンリー王子の境遇とよく似ているな~、歴史は繰り返すのか、と感じます。

 エリザベス女王はフランス語を話し、フランス料理や文化を好んだと言われています。
かつて、フランス大統領府で晩餐会の席上「女優になってみたかった」と話すと、当時のオランド仏大統領が「ご立派に女優でいらっしゃいます。」と言い、どんな国を訪れても皆の心をつかんでいる、とたたえました。
 それを聞いた女王は「そうですね、いつも同じ台本ですけれど」と答えたといいます。

 映画でその国の歴史、人物、地理などを知るのもいいものです。
「男と女」で二人が知り合ったドゥーヴィル(Deauville)という町、この映画で初めて知りました。
フランスのノルマンディー海岸にあってリゾート地らしいですが、夕日を観に行きたくなります。

ばってんT村でした。

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