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長崎弁講座2016/11/06

 オリーブで開催した関西弁講座がたいへん好評でした。
そこで今回のブログでは趣向を変えて私の故郷である九州の長崎弁講座をやってみたいと思います。

 九州とひとくくりに言っても、関西弁と同じように地域によって方言も少しずつ違ってきます。私の出身地は長崎ですが、ここは九州の西部地方(長崎、佐賀、熊本)の方言に属します。

では、さっそく長崎弁の例文を見てみましょう。

A:そん顔、どがんしたと?
B:かみさんのくらしたと。えすかった~。
A:なしてくらされたと?
B:宝くじば100枚もこうたばってん、いっちょん当たらんかったけん。
 そいば言うたら、「なしてそがん無駄使いすっとね!」ってはらかいてくさ。そいでくらされたとばい。
A:そがんことすっけんたい。宝くじ、ごっといはずれとったい。

これを標準語に直すと

A:その顔、どうしたの?
B:妻が殴ったんだ。怖かった~。
A:なぜ殴られたの?
B:宝くじを100枚も買ったんだけど、ひとつもあたらなかったからさ。
 それを言ったら、「なぜそんな無駄使いするの!」って腹を立てて。それで殴られたんだ。
A:そんなことするからだよ。宝くじ、いつもはずれているじゃないか。

 いかがですか?
主な文法上の特徴は次のようになります。これらは会話に頻繁にでてきますので覚えておきましょう。

1.主格を表す助詞に「の」を多く使う  かみさんが→かみさんの
2.終助詞に「ばい」「たい」を使う 
3.対象を示す助詞に「ば」を使う  宝くじを→宝くじば
4.理由を表す助詞に「けん」を使う 当たらなかったから→当たらんかったけん
5.逆説の接続詞に「ばってん」を使う

 はい、助詞に大きな違いがあることがおわかりになると思います。特に「の」は主題を表す「が」の代わりに頻繁に使います。
 「犬のえさを食べた」は「私は空腹のあまり犬のえさを横取りして食べた」という意味ではなく「犬がえさを食べた」のことです。
で、修飾を表す場合は「の」よりも「ん」を使います。誰の本ですか?→誰ん本ね?

その他の特徴として
6.形容詞、形容動詞の語尾は「か」になる。 
 高い→高か、きれいな→きれいか
 さらに語尾がカ行の場合、促音化してしまう。 
 高か→たっか、低か→ひっか
7.動詞の「る」が促音化する  
 する→すっ なにをするのですか?→なんばすっとですか?
 来る→来っ いつ来る?→いつくっと?

 いかがでしたか? 文法的な傾向はつかめたと思います。
でも純粋な方言や言い回しは覚えるしかありません。「殴る」を「くらす」、「怖い」を「えすか」、「いつも」を「ごっとい」と言われても、何?って感じですよね。

 また機会がありましたら第二回目をやりたいと思います。
ばってんT村でした。
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