ルアンパバーンと日本語教室 ― 2018/11/03
ラオスのルアンパバーンという古都をご存知でしょうか?
市街地全体が1995年、ユネスコの世界遺産に登録されました。また2008年にはニューヨークタイムズの調査でラオスが行ってみたい国No.1に選ばれ、この頃から欧米人の間ではルアンパバーンは人気の観光地になっているのです。
私も7年前になりますが、ゴールデンウィーク連休を利用して行ってきました。
ルアンパバーンというところ、数百年前は王国の首都でもあったところです。規模は全く違いますが、あえて言えば日本の京都に相当するでしょうか。
見どころはワット(寺院)と滝や洞窟などの自然・公園で、周りを川や山に囲まれゆったり時間が流れるいなか街です。
まずルアンパバーンの街並みを一望するなら、「プーシーの丘」というところが街中にあります。ただ、300段ほどの階段で展望所まで行くことになります。
高いところと言うのは観光名所になりやすく、ここも朝日、夕日を眺望するのに登る人が多いのです。
一番の見どころはやはり早朝の托鉢風景でしょうか。オレンジ色の袈裟をまとった僧侶がグループで一列になってルアンパバーンのメイン通りを巡ります。
早朝5時半くらいから始まりますので、見物するなら早起きが必要です。
私の中での一番の思い出はこのルアンパバーンで偶然出会った日本語教室です。以前、ブログでも書きましたが添付していなかった写真と共に加筆します。
日本からルアンパバーンへはバンコク経由で向かいました。
バンコクからルアンパバーンへ行く飛行機で隣席が偶然、日本人女性でした。世間話の中で私がボランティアで日本語を教えている、ということを話すと「そうなんですか、実はラオス人が日本語を教えているお寺を知っているので行ってみませんか?」と言われたのがきっかけでした。
彼女ITさんはルアンパバーンは2回目で前回偶然その日本語教室のことを知ったそうです。ちなみにITさんの日本での仕事は中学校の補助教員をやっているとのことでした。
早速、到着した日の夕方、そのワット(寺院)へ連れて行ってもらいました。寺院敷地内の一部屋で、若いラオス人男性(ニックネームはブイさん)がボランティアで12~16歳の若い男女に無料で日本語を教えているのです。
私とITさんも飛び入りで授業に参加させてもらいました。
「みんなの日本語」のラオス語版を使っていました。なんと習字の練習もやっているのです。
生徒は昼間、学校に行っていて、夕方からこのお寺の教室に集まり日本語の勉強をしているのです。中には修行中の若いお坊さんもいて、袈裟をきたまま授業に参加していました。
驚いたのは先生のブイさんの日本語との関わりです。日本に興味を持ち日本語を勉強しようと思い立ったとのことですが、日本へ行ったこともなければ正式に誰かに教えてもらったこともない。すべて独学で勉強し、ラオス国内の日本語スピーチ大会で2位になったほどの実力なのです。
ブイさんは「実際の会話はこちらに来た日本人ととにかく話しをすること、それと漢字は本で勉強できますよ。今はインターネットもありますから」と言っていました。
けっして学習環境に恵まれているとはいえないところでこのようにボランティアで日本語を教えている、広めてくれていることに対し非常に嬉しく思ったことを覚えています。
翌日の日曜日、生徒たちや他の日本人旅行者も交えて、近郊にあるクアンシーの滝というところに行ってきました。一応、ガイドブックにも載っている観光地です。
荷台を座席に改造したこんなトラックで皆で相乗りして出かけました。
道中、舌を巻いたのは生徒の日本語能力の高さです。若くて吸収力が速いということもあるでしょうが、学習期間1年ほどで我々日本人と何不自由なく流ちょうに会話ができるレベルなのです。
将来は日本語が生かせる仕事をしたい、と言っていた生徒たち、今頃希望をかなえた生徒が日本人相手にもう観光ガイドやホテルスタッフをやっているかも知れません。
最後に、これらは教室の壁に貼ってあった数々の教材の写真です。微笑ましくも意欲を感じさせる内容ではないでしょうか?
ばってんT村でした。
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