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お辞儀2012/02/19

 ばってんT村です。
メイメイさんに引き続きですが、外国人による日本語スピーチ大会でのトピックスをお話ししたいと思います。

 準備のため、午前中に会場に入っていた私はリハーサルを見る機会がありました。運営委員の担当者が発表者を集めて注意事項を説明し、順番に各人に入場、壇上での発声、退場の一連の動作をリハーサルさせていました。

 発表者は発表の前後にお辞儀をしますが、ある発表者がリハーサルで前を見据えたまま頭は下げずに体だけを折り曲げた姿勢でお辞儀をしました。日本人なら誰もが不自然さに気づきます。思ったとおり、運営委員の人は正しい形を教えて直させていました。通常、お辞儀するときは頭も同時に下げ、相手を直視することはしませんものね。

 こういうところにも文化の違いが見られ、なるほどと印象に残りました。そもそも、お辞儀という形で挨拶、感謝や謝罪の意を伝えるのは世界で日本人だけではないでしょうか?

 少なくとも私の知る限り、海外ではお辞儀という習慣はないと思います。話をする時はきちんと相手の目を見ること、と教えられるはずです。逆に日本では、相手の目を直視することは失礼でぶしつけな態度と思われます。

 このトピックで思い出したのが、以前新聞に載っていた俳優の渡辺謙へのインタビュー記事です。
 内容はこういうものでした。彼が出演したハリウッド映画「ラストサムライ」の中に天皇に謁見して刀を返還するところがあるのですが、撮影中アメリカ人の監督は天皇をしっかり見て刀を返還するように要求したそうです。重要なシーンなので印象的な演出にしようという目的だったらしい。

 これに渡辺謙は猛反対し、日本では絶対そんなことはしない、ましてや相手は天皇、映画とは言え誤った日本の習慣を伝えることはできない、と一歩も譲らなかったとのことです。

 ここまでこだわらなくとも、日常のコミュニケーションで出てくる日本の習慣を日本在住の外国人に機会があれば教えて知っておいてもらうのはいいことではないか、と思ったしだいです。
郷に入りては郷に従え、と言いますからね。
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