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ポリコレ2022/04/10

 最近、やたらと外来語由来の略語が増えているなと感じます。SDGs、LGBT、DXなどよく目にするのではないでしょうか?

 そしてもうひとつ頻出するようになった用語に「ポリコレ」と言う略語があります。Political Correctness(ポリティカル・コレクトネス)の略です。英語ではPCと略されます。

 直訳すると「政治的な正しさ」とちょっと固い表現になりますが、これは「性・民族・宗教などによる差別や偏見、それに基づく社会制度は是正すべきという考え方」です。

 ポリコレに関しては、以下のようなスポーツ界での実例が問題になっています。

 アメリカの大学水泳界で男性から女性に性転換したトランスジェンダーの選手が圧倒的な強さで勝ちを重ねていました。彼(彼女)は2019年からホルモン療法を開始し、2021年に男子から女子チームに移行しました。。

 全米の大学体育協会規約ではテストステロン(男性ホルモン)の値が1年以上一定レベル以下になっていれば女子の競技会に出場できるとなっているそうで、これをクリアしたのです。

 しかしテストステロンの値が下がっても、それまで男性として造られた骨格や筋肉量、肺活量は女性を凌駕しており公平性がないことは明らかなのです。
確かに週刊誌に載っていた写真を見ると容姿は男性そのものでした。

 このような男性→女性のトランスジェンダー選手の躍進現象は自転車競技や陸上競技でも起きています。

 これにクレームをつけようものなら、トランスジェンダーへの差別だ、という批判を浴びることになり、不公平だと声をあげる人はなかなかいません。

 以前、ブログでも紹介しましたが、同性愛者からのケーキ製作注文を宗教上の理由で断ったケーキ職人が性差別だとして注文客に訴えられた実例もあるのです。

 他にも、父母のことをFather、Motherとは言わず、どちらもParentと言う。
同性結婚だと男=父親、女=母親という区別がつかないため、子供にとっては混乱の元になるというのが理由。

Black(黒人)はアフリカンアメリカンと言い換える。
など。

 日本でもすでに流れは来ており、東京ディズニーランド、ディズニーシーではすでにLadies & Gentlemen (レディーズ アンド ジェントルメン)という来訪者へのアナウンスは「ハローエブリワン」にかわっています。

 とにかくクレームが来る前に対策しとこうという過剰な言葉の言い換え、これがますますエスカレートしているのです。言葉狩りですね。

 アメリカでは「これが正しい」となると、極端に突っ走る傾向があると思います。エッと驚くような例も書かれていました。

 クリスマスシーズンに「メリークリスマス」と言ったり書いたりできない流れになっているそうです。かわりに「ハッピーホリデーズ」と言う。
 クリスマスツリーはホリデーツリーという名称に変わり、これだと何の木なのかさっぱり意味が分からないのでは思ってしまいます。

 「メリークリスマス」はキリスト教徒だけの宗教用語であり、イスラム教、ユダヤ教など他の宗教信者にとっては不愉快で排他的だから、というのが理由らしいです。
 ただし、他の宗教信者や団体から具体的にクレームが来たりトラブルが起きたわけではないと言います。過剰な自主規制なのです。

 このように「これはおかしいので正さねば」とか「これは許せない」というような性質は人間誰しもが持っている感情らしいです。

 最近、脳科学者の中野信子さんの著書「人は、なぜ他人を許せないのか」を読みましたが、その中でこれを「正義中毒」と名付けていました。 



 他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されます。これにはまると簡単には抜け出せません。
と書いてありました。

 特に今はSNSで匿名で簡単に発言できるようになり、全く自分に関係ない芸能人の不倫や不道徳行為をバッシングするなどは典型的な例です。

 まったく別分野ですが、私がこれで思い出したのはIWC(International Whaling Commission:国際捕鯨委員会)からの日本脱退の理由です。脱退は2019年のことでした。

 IWCはクジラ資源の保存と捕鯨業の適正化を目的として設立された国際機関で、加盟国は88か国ほどです。
 当初、クジラ資源保存と捕鯨の両立だったのが、徐々にクジラの保護のみが目的になってしまい、ついに商業捕鯨が禁止されてしまいます。

 この背景には理屈やデータよりも「クジラのような知能が高い動物を殺すのはかわいそうだ」とか「殺し方が残酷だ」とか「そもそもなぜクジラを食べるんだ?」という反捕鯨国の感情が上回ったことが要因です。

 さらにアメリカで、海洋生物の保護のため行動するシーシェパードという環境保護団体がありました。
 実体は環境テロ団体で、イルカやクジラ漁に反対していて捕鯨船への体当たりなど暴力的な手段で捕鯨を妨害するような過激な行動を長年にわたりやってきました。
 このような背景があり日本はIWCを脱退したわけです。

 小学校の給食に鯨肉が出ていてそれを食べていた世代としては、30年ぶりに日本近海で商業捕鯨を再開したのは喜ばしいことなのですが、今や鯨肉は高級和牛並みの高値になってしまいました。
 もっとも今さら鯨肉が食べたい、という需要も少ないでしょうね。

 話が飛んで、前述した著書ですが脳科学的な知見からわかりやすく書かれています。個人的には日本人特有の思考や脳の働きなど
・個人の意志より集団の目的が優先される
・「よそ者」は信用しない日本人
・加齢が脳を保守化させる
・理性は直観に勝てない
・老けない脳をつくるトレーニング
などの章が興味深かった。

 脳を老けさせない方法の一つは「慣れていることとは少し違うことをやってみる」です。
時には違う店に行ってみる、違うメニューを頼んでみるということでいいらしい。旅行なんてうってつけなのですよね。
ばってんT村でした。

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